Monday, August 14, 2006

心のお料理 ル セリエ 大分 にて~萩原シェフの究極のフランス料理を満喫

  ワイン好きにとっては、料理好きにとっては、今回の旅行で心から楽しみにしていた大分訪問~
大分市は、牧にあります、フランスのグランド キュジーヌと大分のスローフードが一体化された繊細で洗練された萩原シェフ (クリックでシェフのページへ)のお料理を六感全てを使って楽しんで参りました。

  この日は関西からJRで大分入り致しましたが、ヨーロッパからわざわざ~と、ご親切にも大分駅までオーナーご夫婦が愛犬と共に、お迎えくださいました。 レストランに到着後、リフレッシュしまして即、待望のル・セリエの方へ~

  はるばる大分に到着するまでの間、この「ル・セリエ」が、私の「エリゼ宮」ですとおっしゃるオーナーと取り交わしたのは、数回のメールのみ。 ドイツ在住の田舎者夫婦をここまで信頼くださり、ありがたいことと感謝しております。 同じく大分ご在住の温かい微笑の紳士、GTOさんもご同席くださいました。 




さてさて、入店いたしますとそこはもう別世界~





・・・ずらりと並べられた食器、銀器、、、そして、一生に何度飲めるか判らないワインたち・・・



大分の夜の部、第一部のはじまり、はじまり、、、












クリスタル ロゼ 1999年
2001年 Dm シュヴァリエ 白 
1983年 シャトー・デュケム
2002年 ルソー シャンベルタン
2002年 ルソー クロ・サン・ジャック
1990年 ソシアンド・マレー
1979年 シャトー・ラトゥール

2002年 ルソー クロ・デ・リュショット
1983年 パルメ
1995年 シャトー・ラフィット









アペリティフには、1999年 クリスタル ロゼ! を~ 

シャンパン、シャンパンと言いますが、どうこの凝縮感とエレガンスを表現して良いのやら。
ワインの足も素晴らしく強く、しっかりとパレット全面を埋め尽くしてくれます。グラスに注がれた液体がグラスの壁面をゆったりと流れ落ちる姿は美しく、泡も決してアグレッシブではありません。









ネギの冷製クリームスープ 雲丹と共に~  


まずネギの自然な香りと共に入場。
クリームスープというとイメージし難いですが、これはシャンパンのクリーミーな泡のようなものが口に広がり、決して青臭くないネギの香りと、泡だったクリーム(洗練されたフォンのコクと新鮮なクリーム)が広がった後、空気のように、通リ過ぎて行きました。 日本でフレンチを食べた時に感じる、あの野卑なクリームのイメージなどかけらもなく、それはそれは偉いオーナーご主人に、「日本のクリームにしては、すごく洗練されていますね・・・」なんて、大口を初っ端からたたいてしまい、もう追い出されるかな!?とビクビクしてしまった瞬間でもありました。 オーナーご主人は、苦笑されながらもTomochanの真意は判って頂けたようで、ホット~  

食欲をそそるネギの香りが、そして空気のように泡だったウマミの凝縮されたクリームスープが、パッと広がったかと思いきや、雲丹の味と香りと融合し合い、最後に綺麗にまとまって、まるで波が退いた後の如くに綺麗に一筋の線となってフィニッシュ~ 恐ろしいほど洗練されたお料理です。

空気、空気と書いておりますが、全て泡だけのシェーク状のものではなく、これがきちっとしたスープなんですよ! この「透明感」が素晴らしい。













鮑のサラダ仕立てタプナ-ド添え、バルサミコのソースと鮑の肝いりタプナード

バルサミコソースというのは、平素とても気軽に使ってしまいがちなもので、扱い一つ間違えれば単なるサラダドレッシングに墜落~  こちらのお料理も目の前の大分の海から新鮮な鮑とお野菜のほのかな苦味と甘味、そして「鮑の肝入り」タプナードとわざと酸を強調したバルサミコソースが絡み合った逸品。鮑のウマミとエレガントなフルーティーさを感じさせる酸、そして癖のまったくない新鮮な鮑の肝入りタプナード・・・

華やかなドメーヌ ドゥ シェヴァリエ ブランとの相性は、舞踏会場へと誘ってくれます。


ルソーのクロ・サン・ジャック 赤と鮑のミネラル感が見事にマッチング~  ルソーの独特の華やかな香りと大分の海の香りのマリアージュ!
















フォワグラのポワレ、無花果とポートワインのソース

以前にこのお料理を食べられた方のコメントに、
「皮の部分が、数ミクロンの厚さでコンガリと焼き上げてあって~」というのがありましたが、みごとな焼き加減をご覧下さい!ポートワインソースの中にもイチジクの香りと味があって、素晴らしい食感の後、広がるフォアグラのウマミ。 デュケムと共に広がる光景はフランスの田舎とパリの街が重なり合う様~

繊細なポートワインソースの中に潜在する無花果、そしてフレッシュな無花果とが相乗効果で、フォアグラがここまでエレガントなお料理に~ フィニッシュにナッツの香りさえ感じられる絶妙なソース・・・


心では舞踏会のワルツが流れておりました。














コチのバプール香草風味 ブールブランソース カボス風味


まずは、この見事なソースをご覧下さい。 
そして、この絶妙なお魚の仕上がり方を!


アクセントとして、タンパクなこのお魚の味を塩で引き立たせて、文字通り「風」のようにサ~ッっと通り過ぎて行くようなブールブランソース~ かぼすとハーブの「風味」。
新鮮なコチの見のほどけ方が素晴らしい。オーナーご主人のお話では、「ランブロワジーのブールブランソースに似ている気がします。」とのこと  

まずは、香り、そして、口の中での広がり~ そして後に何一つネガティブな要素を残さない透明感~


ブールブランソースも一歩間違えれば、舌にベタベタマトワリつく只のフレンチソースに成り下がるかもしれませんが、萩原シェフのソースは絶妙な繊細さです! どういうタイミングでどうすればこんなにエレガントなソースが出来るのでしょうか。 カボスとコチ(大分)、コチとブールブラン(フランス)のマリアージュ~



















オマール海老とサマートリュフのフリカッセ海老のジュのソースとサマートリュフのソース



肉質の詰まったオマール海老の甘さと、ほのかな香りを見せてくれるサマートリュフ、海老のジュと一筋の麺の香りと味のからまり具合がお見事。宴も酣~ いよいよ舞踏会もクライマックスに。 

何気なくソースの上に置かれている一筋の麺の香りと味がここまでのアクセントになるとは!

萩原シェフの感性は底なしでしょうか・・・
ご時世に流されないフランス料理のフランス料理たる姿がここにありました!

全てのお料理に通ずることでしたが、

まず、香り~ 口の中での広がりがあって、最後に舌の上から喉にかけて残る一筋の余韻。『透明感』 そして、ご覧のように 「素材」と「ソース」のみがお皿の上で演出されている本物のフランス料理でございます。 「かけ」も「ひき」もございません。 ヨーロッパはフランスの伝統的な本格派に、大分の風土と、萩原シェフの感性が一体化。 

最高のワインに通ずるものがありました。


Tomochan夫婦は、肉を食しないということで無理をお願いしてお魚料理を主体とした「舞踏会」を演出して頂きました。写真を撮り忘れてしまったデザートの「数々~」 あまりの美味しさにお料理の数とほぼ同数頂いてしまいました。





ボルドーの古酒、そして
2002年のアルマン ルソーの見事なワイン

  個人的には、決して高飛車ではなく、1983年の双方のパルメとデュケムは少々期待していたものとは違っておりました。 コンディションは抜群なのですが、以前から知っている83年のパルメ(今までまだ6本ほどしか飲んでおりませんが)のCh.マルゴーとは全く違う、あのパレットでの広がりが感じられませんでした。(ちなみにこのパルメはこちらの会食では開けておりませんでした。この会食後に引き続き別室にて~)
 同じくデュケムも以前に飲んだ83年(たったの一本飲んだだけ)は、一滴の中に見せる恐ろしいほどの数のアロマ・ブーケ(数えながら遊んだものですが)が、年とともに融合してしまっていて、まるで「眠り姫」状態。それでもデュケムはデュケム! お見事です。この貴腐ワインとしての凝縮間は他の追随を許しません。

1990年の ソシアンド マレ 若いときに見せてくれるあの素晴らしい凝縮間が、程よくこなれて来ていて、バランスも良いワインでした。


79年のラトゥールですが、ハーブ系の香りが出ている古酒で、時間と共にクレッシェンドを感じさせるワインではないものの、この難しい年でさえラトゥールは健在でございました。




当夜で、圧倒されてしまったのは、Dom.d.Chevalier Blancとアルマン ルソーのワインたち! 

このボルドーの白のビスケットのビロードを纏う花束を、エレガントなキャンドルで~素晴らしいワインに出会うことが出来ました。

ルソーのワインたちは舞踏会で着飾った淑女を見るような華やかさ、エレガンス、コク、赤いベリー香  このルソー独特の香りは一体どう表現したら良いのやら!ピノ ノワール パー エクセレンス! ボルドー好きがブルゴーニュに移行したくなるきっかけは、このような偉大なワイン作りのせいなのでしょうね。。。 当オーナーのご紹介、ご選択のワインでした。


遅ればせながら、
このゴージャスな会食を実現してくださったばかりか、素晴らしいワインの数々をご提供くださったオーナーご夫妻、GTOさんに心からお礼申し上げます。

ありがとうございました。


(ラフィットとパルメその他のワイン軍団は、この後の大分の夜第二部へ~)


この素晴らしいお料理を、是非みなさまもご賞味頂けるなら、Tomochanの語らんところをご理解して頂けると思います。 飛行機で、車で、船で、列車で、ぜひとも大分へ萩原シェフのお料理を食べるためだけにいらしても、十二分に価値ありでございます。

次は、いつまた行けるのだろうか・・・  完璧に圧倒されてしまった大分の夜でございました。



〒870-0924
大分市牧2丁目12番地12号
ソフィアクリニック別館1階
TEL: 097-555-9000


収容人数
駐車場
31名(うち個室1室)
店舗前11台




営業時間
ランチ
ディナー
11:30~14:00(OS)
17:30~21:00(OS)

定休日
日曜、祭日、第2月曜日、GW、盆、年末年始




















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